休んでもいいし、遊んでもいいよ。

ランチの時間、週に1回くらいは、会社のだれかや、お友達とランチに行くことが多くなった。会社のビルから、赤坂に向かう横断歩道にむかって歩きながら、「ところで、今日はなに食べよっか?」「やっぱ、今日は忙しいから、肉かな〜」なんていいながらレストランを決めるところから、すでにうれしい。ただのおばかな話して死ぬほど笑いこけるのも、すごく幸せ。誰かと一緒にリラックスして、ごはんを食べられるのってほんといいなあと思う。
 
こんなわたしも、20代前半から5年弱くらい、拒食症だった。とにかく、食べたくなかった、食べられなかった。35キロくらいしかなくて、ふらふらなのに、それでも食べられなかった。何か食べて体重が増えると、自分の価値が下がるような気がした。当時営業をやっていたんだけど、昼間はくたくたになるまで、お客さんのフォローで外回りして、夕方会社にもどってからは夜中まで資料作りして、それでもまともなごはんが食べられなかった。なぜか、ばななチップとわかめばかり食べてた超偏食。今思うと笑える。生理がなくなったので婦人科に行って、このままだと死にますよって言われて、やっと精神科に行った。
 

精神科に2年くらい通い、ようやく少しずつ、体重を増やせるようになった。精神科の先生に、お腹の中にかかえている、やっちゃいけない、と思っているものを全部吐き出して言ってごらん、と言われて、「さぼっちゃいけない」「休んじゃいけない」「遊んじゃいけない」と思いますって、そんなことを最初に話したと思う。先生が「それ全部、別にやってもいいんじゃない」と言われてはっとした。そうか、休んでもいいんだ。遊んでもいんだ。少しずつやっちゃいけないと思っていたことの皮が1枚1枚剥がれていくにつれて、だんだん食べられるようになってきた。とはいえ、体重がもどってからも、食べることは私にとっては、自然な行為じゃなかった。なんだか妙に構えてしまって、たくさん食べることに抵抗があった。
 
人ときちんと付き合えるようになって、すごく親しい女友達ができて彼氏ができた頃から、友達に会って話しをすることが楽しみになって、その時に美味しいものを食べることが自然で、より楽しい時間が盛り上がるってことがわかった。知らなかったな。なるほど〜、だから、みんな友達と一緒に外食するのが楽しみだったんだ。普通の人が、何も考えずに自然にできるところを、私は30年くらいかかって習得したらしい。遠回りしました、いつもそうだけどね。遠回りした分、その、ありがたみが、ずっしり身にしみます。ほんとうに好きな人と一緒に食事をする時間は、至福の時間なのですよ。
 
今週の月曜日は、スイス人とフランス人とポルトガル人と日本人で、ランチにラーメンを食べました。憧れの日本食はなにって聞いたら、寿司とラーメンといったので、じゃあ、ラーメン行こうよと私から誘った。仕事でヨーロッパから来てくれているお助けマンたちなのですが、ちょっと不器用に、がんばってお箸でラーメン食べる外人たちが、かわいいなあと思った。西洋の人たちは、ずずずっと麺をすすることができないからラーメンをとっても静かに苦労して食べる、なんかちょっと抱きしめたくなるな、こういうの見ると。おつゆを一滴も残さず食べて、美味しかったってすごく嬉しそうな笑顔を見ると、わたしまでいいことした気分になった。

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